バリュープロポジションとは、「他社には提供できず、自社だけが提供できる、ユーザーが求める価値」のことです。
競合との差別化を実現する上で重要な考え方で、バリュープロポジションを作り出すことによって、マーケティング戦略や商品開発などに活用することができます。
そこで、本記事では、主にバリュープロポジションの作り方について実践的に解説していきます。
弊社は、数多くの業界において企業様のバリュープロポジション策定の支援を行ってきたということもあり、より実践的なバリュープロポジションの策定方法を皆さまに解説できればと思います。
また、差別化マーケティングナビの運営元である株式会社コリンでは、「バリュープロポジション」の策定から「バリュープロポジション」を用いたwebマーケティング施策の実行まで一貫して支援しております。
競合他社との差別化や集客にお困りの方はお気軽にご連絡ください。
目次
バリュープロポジションとは、「他社には提供できず、自社だけが提供できる、ユーザーが求める価値」のことです。自社だけがユーザーに提供することができる「独自価値」のことで、ユーザーにとっては「サービスを選ぶ理由」になります。
Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)のいわゆる3Cの図で表現されることが多く、上図の青枠部分のことをバリュープロポジションと呼びます。
バリュープロポジションの特徴としては、以下2点です。
バリュープロポジションを検討する際には、ユーザーが求めていることが大前提になります。また、競合他社も提供できる価値はバリュープロポジションにはなり得ず、差別化を図ることができないので、自社独自の価値であることが重要です。
バリュープロポジションは、なぜ重要視されるようになったのでしょうか。
その背景には、市場ニーズの多様化があります。
近年では、市場のニーズが多様化し、商品・サービスの種類が増加する中で、企業は差別化を図らなければ生き残れない状況に直面しています。
そのような状況の中で、多くの企業は競合他社との差別化を図るために、新たな商品・サービスを開発したり、既存のサービスに新しい機能を追加したりと様々な試みを行いました。
しかし、競合他社との差別化を過度に意識した結果、まったくユーザーのニーズに合致していないサービスを生み出してしまい、ますますユーザーが離れていってしまうということが起きています。
だからこそ、ユーザーニーズとのズレをなくしながら、競合との差別化を図ることができるバリュープロポジションが重要視されるようになったのです。
バリュープロポジションを活用するメリットは以下3つです。
・ユーザーニーズとのズレを見つけることができる
・新しいユーザーニーズを発見できる
・様々な側面に応用することができる
バリュープロポジションを作ることで、既存のサービスにおいて、自社が提供している価値とユーザーが求めている価値とのズレを見つけ出すことができます。
ユーザーニーズとのズレはユーザー離れにつながり、
売上・収益の低下に直結します。
バリュープロポジションを作り、ユーザーのニーズと自社が提供できる価値を合致することができれば、売上・収益の改善が見込めるでしょう。
後ほど、バリュープロポジションの正しい作り方について説明しますが、バリュープロポジションを策定する過程で、ユーザーニーズを徹底的に深ぼります。
その中で、今まで気付くことができていなかった新しいユーザーニーズを発見することができます。
バリュープロポジションは、企業の事業戦略やマーケティング戦略のコア(根幹)になるものです。
そのため、新規事業開発、商品開発、広告のキャッチフレーズ、営業トークスクリプト、組織カルチャーへの浸透など、非常に幅広い施策に活用することができます。
それでは、バリュープロポジションの作り方について解説していきます。
以下5つのSTEPでバリュープロポジションを策定していきます。
1.ペルソナを策定する
2.カスタマージャーニーを策定する
3.ユーザーの選定軸を洗い出す
4.選定軸をもとに競合調査を行う
5.バリュープロポジションを策定する
バリュープロポジションを策定する前に、自分たちの顧客は誰なのかを明文化します。
バリュープロポジションは、ユーザーが求めていることが大前提になります。詳細に顧客像をイメージできるレベルまでペルソナを作成することが重要です。
ペルソナの項目の例を以下に紹介します。
上記を整理し、ペルソナがどういう背景で何に悩んでいるのかを具体的にイメージしておくことが重要です。
また、ペルソナを正確に把握するためには、以下のようなアプローチを取ることも大切です。
・顧客に直接インタビューを行う
・顧客と接点の多い営業担当にヒアリングする
・顧客の行動データを分析する
・アンケートをとる
ペルソナを設定したあとは、ユーザー行動を具体的にイメージするため、その人物を想定としてカスタマージャーニーを策定します。
カスタマージャーニーを整理すると、この後洗い出すユーザーの選定軸をもれなく洗い出すことができるようになるので、作成してことを推奨します。
横軸に購買プロセスを以下の項目で整理していきます。
縦軸は各プロセスのユーザー行動や心理状況を以下の項目で整理していきます。
次に、ペルソナとカスタマージャーニーの分析をもとに、ユーザーがサービスを選ぶ際に重要視すると思われる【選定軸】を洗い出していきます。
以下は、プログラミングスクールを選ぶ際にユーザーが重要視する【選定軸】の例です。
ユーザーの選定軸を洗い出したら、自社のサービス+競合他社を複数社(10社以上推奨)ピックアップし、選定軸をもとに競合調査を行います。
各項目ごとに、各企業がどんな特徴を持っているのか、あるいは持っていないのかを調査していきます。この段階は、客観的に調査することが重要です。
上記のように、競合調査表を作成して整理していくと、どの企業がどの項目で強みを持っているのかが一目で分かるので、競合調査表の作成を推奨します。
競合調査が完了したら、それぞれの項目の中で自社だけが持っている機能や優れている点をピックアップします。例えば、以下のような点をピックアップします。
・受講料金が競合他社の中で最も安い
・就職・転職支援までサポートしている
・質問サポートの対応が最も早い など…
自社だけが持っている機能や優れている点をピックアップしたら、改めてペルソナと照らし合わせてみて、ユーザーが本当に求めている項目であるかを確認します。
上記のプロセスから、「自社独自の価値=バリュープロポジション」が策定されます。
バリュープロポジションを作る際は次の3つの点に注意する必要があります。
自分たちの想いが先行してしまうと、ユーザーニーズが置き去りになった独りよがりのバリュープロポジションになってしまう可能性が高いので注意が必要です。
どんなにこだわったサービスであっても、ユーザーに求められていないサービスには価値がないことを忘れてはいけません。
既存の企業資産(アセット)に固執しすぎないことも注意点の一つです。
企業資産とは、既存顧客のデータベースやマーケティングノウハウ、テクノロジーなどを指しますが、それらのアセットを活用することに固執してしまうと、ユーザーニーズに基づいていないバリュープロポジションになってしまいます。
特に、既に成熟した産業や企業で企業資産(アセット)を多く有している企業は注意が必要です。
バリュープロポジションを作る際は、すべてのユーザーニーズに応えようとしないことが重要です。
もちろん、ユーザーニーズに応えること自体はとても重要ですが、すべてのユーザーニーズに応えようとしすぎてしまうと、バリュープロポジションが複雑になってしまい、かえって訴求すべきポイントが定まらなくなるという事態も起こりかねません。
ユーザーニーズをいくつか洗い出した上で、自社が最もクリティカルに応えることができるユーザーニーズは何かを考え抜くことが大切です。
最後に、バリュープロポジションを作る上で、役に立つバリュープロポジションのチェックリストを紹介します。
マッキンゼー&カンパニーのMichael J.Lanning(マイケル・ラニング)氏とEdward G. Michaels(エドワード・マイケルズ)氏が1988年に発表した「A BUSINESS IS A VALUE DELIVERY SYSTEM(ビジネスとは価値提供システムである)」という論文のなかで用いられているチェックリストになるので、ぜひ皆さんもお使いください。
バリュープロポジション 10のチェックリスト
参考:A BUSINESS IS A VALUE DELIVERY SYSTEMをもとに作成
本記事では、バリュープロポジション作り方について解説してきました。
バリュープロポジションを的確に策定することができれば、営業戦略・マーケティング戦略・商品開発など、非常に幅広い分野に活用することができます。
ただ、一方でバリュープロポジションを作る際にはいくつか注意点があり、バリュープロポジションを活用して成果を出すためには、正しい手順でバリュープロポジションを作ることが求められます。
「差別化マーケティングナビ」を運営する株式会社コリンは、バリュープロポジションを活用したマーケティング支援を強みとしている会社で、バリュープロポジションの策定からマーケティング施策の実行まで一気通貫で支援しております。
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