【テンプレート付き】バリュープロポジションキャンバスの作り方と活用方法を徹底解説!

要約 SUMMARY

この記事は約8分で読めます。

  • 顧客ニーズと自社の強みのズレを解消する「キャンバス」の正しい作り方
  • 今すぐ使えるテンプレートと、失敗しないための記入ポイント
  • 精度の高いVPを作るために不可欠な「競合調査」と「第三者視点」

「素晴らしい商品を作ったはずなのに、顧客に響かない」「開発チームと営業チームで、製品の強みに対する認識がズレている」。

こうした課題の多くは、自社が提供したい価値と、顧客が求めている価値の間に「ズレ」が生じていることに起因します。このズレを解消し、「顧客が本当に欲しいもの」を定義するためのフレームワークが、バリュープロポジションキャンバス(VPC)です。

本記事では、バリュープロポジションキャンバスの作り方を、初心者にもわかりやすく解説します。さらに、すぐに実践できる無料テンプレートも用意しました。

ただし、単に枠を埋めるだけでは意味がありません。成果に繋がる「勝てるキャンバス」を作るための、プロの視点も合わせてお伝えします。

バリュープロポジションキャンバステンプレートをダウンロードする(PDF)

バリュープロポジションキャンバスとは何か

バリュープロポジションキャンバス(Value Proposition Canvas)は、ビジネスモデルキャンバスの考案者であるアレックス・オスターワルダー氏によって開発されたフレームワークです。

「顧客が望むこと(Customer Profile)」と「自社が提供できること(Value Map)」を左右に対比させて描くことで、両者のフィット(適合)状態を可視化します。

バリュープロポジションとの違い

「バリュープロポジション(VP)」は、顧客に提供する価値そのものを指す言葉(概念)です。対して、「バリュープロポジションキャンバス」は、そのVPを導き出すための「ツール(道具)」です。

特に、まだ市場が確立していない新規事業や、既存製品のリニューアルにおいて、「誰に、何を、どのように提供するか」を整理するのに適しています。

バリュープロポジションの「定義」とVPが経営戦略の核となる理由

バリュープロポジションキャンバスの構成要素

キャンバスは、右側の「顧客プロフィール」と、左側の「バリューマップ」の2つで構成されています。それぞれ3つの要素に分解して考えます。

右側:Customer Profile(顧客プロフィール)

  • Customer Jobs(顧客の用事): 顧客が日常生活や仕事で解決したい課題や、成し遂げたい目的。
  • Gains(利得): 課題が解決されたときに顧客が得られるメリットや喜び。
  • Pains(悩み): 課題解決を妨げるリスク、障害、ストレス、不満。

左側:Value Map(バリューマップ)

  • Product & Services(製品・サービス): 自社が提供する製品やサービスの機能一覧。
  • Gain Creators(利得をもたらすもの): 顧客に「Gains」を提供するための具体的な機能や仕組み。
  • Pain Relievers(悩みを取り除くもの): 顧客の「Pains」を解消または軽減するための機能や特徴。

【実践】バリュープロポジションキャンバスの作り方

では、実際にキャンバスを作成する手順を解説します。重要なルールは、必ず「右側(顧客)」から書き始めることです。自社製品ありきで考えると、顧客不在の独りよがりな分析になってしまうからです。

STEP1:ターゲット(ペルソナ)を定義する

まず、「誰のためのキャンバスか」を明確にします。「30代男性」といった大雑把な属性ではなく、「業務効率化を求められているが、予算がなく困っている中小企業の総務担当者」のように、具体的な状況まで設定しましょう。

STEP2:右側(顧客プロフィール)を埋める

定義したペルソナになりきって、右側を埋めていきます。

  • Jobs: 「月末の経費精算を終わらせる」「ミスなく給与計算をする」
  • Pains: 「領収書の入力が面倒」「法改正への対応が不安」「システム導入費が高い」
  • Gains: 「残業せずに帰れる」「どこからでも申請できる」「コストを削減して上司に褒められる」

STEP3:左側(バリューマップ)を埋める

次に、顧客のPainsとGainsに対して、自社がどう応えるかを左側に記入します。

  • Pain Relievers: 「スマホで領収書撮影機能(入力の手間を解消)」「自動アップデート機能(法改正の不安を解消)」
  • Gain Creators: 「クラウド型で場所を選ばない」「月額300円の低価格プラン」
  • Product: 「クラウド経費精算システム〇〇」

STEP4:フィット(整合性)を確認する

最後に左右を見比べます。顧客の「Pains」に対して、自社の「Pain Relievers」は的確に対応しているでしょうか?
もしズレていれば、機能を見直すか、ターゲットを変える必要があります。

「埋めて終わり」にしないための重要なポイント

キャンバスを埋めることはゴールではありません。多くの企業が陥る失敗は、「社内の想像だけで埋めてしまう」ことです。

想像ではなく「事実」で埋める

会議室の中で「顧客はこう思っているはずだ」と議論しても、それは仮説に過ぎません。作成したキャンバスが正しいかどうか、必ず顧客インタビューやアンケートで検証する必要があります。

「競合」の存在を忘れない

顧客のPainsを解消できたとしても、もし競合他社が同じ解決策を提供していたら、顧客は貴社を選びません。
Kimerelでは、キャンバスを作る前に競合10社・30~50項目の徹底的な調査を行います。「顧客が求めているが、競合が提供できていない領域」を見つけ出し、そこを埋めることで初めて「勝てるVP」が完成します。

バリュープロポジションの作り方とは?実践的な策定方法を解説

まとめ:キャンバス作成は「戦略」の第一歩

本記事では、バリュープロポジションキャンバスの作り方について解説しました。

  • キャンバスは、顧客ニーズと自社製品のズレを可視化するツールです。
  • 必ず「右側(顧客)」から埋め、想像ではなく事実に基づかせることが重要です。
  • 真に勝てるVPを作るには、徹底的な「競合調査」が欠かせません。

「自分たちで作ってみたが、しっくりこない」「客観的に正しいか判断できない」という方は、ぜひ専門家を頼ってください。

株式会社コリンは、VP策定のプロフェッショナルとして、貴社のキャンバス作りを支援します。社内の思い込みを排し、市場で勝てる「真の提供価値」を一緒に定義しましょう。

お問い合わせ・ご相談フォーム

    貴社名必須

    お名前必須

    メールアドレス必須

    電話番号必須

    部署名必須

    お問い合わせ内容(任意)

    比較サイト構築サービス「キメレルシステム」のご紹介