要約 SUMMARY
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「業界に特化した口コミサイトを作って、新たな集客の柱にしたい」
「ユーザーのリアルな声を集めることで、自社サービスの信頼性を高めたい」
食べログや@cosmeに代表される「口コミサイト(CGM:Consumer Generated Media)」は、ユーザー自身がコンテンツを生み出してくれるため、成功すれば広告費をかけずに集客と収益を生み出し続ける、極めて強力な資産となります。
しかし、実は口コミサイトは「作るのは簡単だが、成功させるのは最も難しい」Webサイトの一つと言われています。事実、多くの企業が「システム(箱)」を作ったものの、肝心の「口コミ(中身)」が全く集まらず、閑古鳥が鳴いて閉鎖に追い込まれているのが現実です。
なぜ、多くの口コミサイトは失敗するのでしょうか? それは、システム構築にばかり目を向け、「ユーザーが投稿したくなる動機」や「サイトの信頼性」の設計を疎かにしているからです。
本記事では、システム的な「作り方」はもちろんのこと、ビジネスとして成功させるために不可欠な「企画・集客・運用の戦略」について、数多くのメディア構築を手掛けてきたプロの視点から徹底的に解説します。
▶比較サイトの作り方・構築方法とは?ビジネスモデルと成功させるポイントも解説
目次
構築手法に入る前に、まず「口コミサイトがどのように収益や価値を生むのか」というビジネスモデルを整理しましょう。目的によって、必要な機能やデザインが異なるからです。
掲載されているサービスや店舗に対し、口コミを見たユーザーが「予約」や「資料請求」を行った時点で収益が発生するモデルです。
BtoBのリード獲得を目的とする場合もこれに該当します。自社サービスへの送客であれば、広告費の削減(CPA改善)が直接的な利益となります。
「おすすめランキング」の上位枠や、バナー枠を企業に販売して収益を得るモデルです。
安定した収益が見込めますが、サイト自体に一定のアクセス数(PV)とブランド力がなければ成立しません。
集まった口コミデータを分析し、マーケティングデータとして販売したり、商品開発に活かしたりするモデルです。
直接的な金銭授受だけでなく、質の高い「お客様の声」という資産を蓄積できるのが大きなメリットです。
口コミサイトを構築する技術的な手段は、大きく分けて3つあります。予算と事業規模に合わせて最適なものを選びましょう。
| 構築方法 | 費用相場 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| WordPress (CMS活用) |
数万~50万円 | ・低コストで開始できる ・プラグインで機能追加が容易 ・SEOに強い構造を作りやすい |
・大規模サイトには不向き ・セキュリティ対策が必須 ・デザインの独自性が出にくい |
| パッケージ システム開発 |
100万~300万円 | ・口コミサイトに必要な機能が標準装備 ・構築期間が短い ・保守サポートがある場合が多い |
・細かいカスタマイズが難しい ・月額利用料がかかる場合がある ・他社と似たサイトになりがち |
| フルスクラッチ (完全独自開発) |
500万円~ | ・自由自在な機能実装が可能 ・独自の検索ロジックを組める ・大規模アクセスにも対応可能 |
・初期費用が非常に高額 ・開発期間が長い(半年以上) ・運用保守コストも高い |
初めて口コミサイトを作る場合、いきなり数百万円をかけてシステム開発をするのはリスクが高すぎます。まずはWordPressと口コミ機能プラグイン(例:Reviewer、WP Customer Reviewsなど)を活用し、スモールスタートで「本当に口コミが集まるか」を検証することをおすすめします。
どのような方法で作るにせよ、口コミサイトとして機能させるために最低限必要な機能があります。これらが欠けていると、ユーザビリティが著しく低下します。
誰でも匿名で投稿できる状態は、スパムや荒らしの温床になります。メールアドレスやSNS連携による会員登録機能を実装し、投稿者の質を担保しましょう。
また、投稿履歴が見られるマイページ機能は、ユーザーの「承認欲求」を満たし、リピート投稿を促すために重要です。
単なる「星5つ」だけの評価では、情報の解像度が低く、他のユーザーの参考になりません。
「価格の満足度」「使いやすさ」「サポート対応」など、商材に合わせた複数の評価軸を用意し、テキストだけでなく画像も投稿できる仕様にすることで、レビューの質を高めることができます。
口コミが集まってきた際に、ユーザーが見たい情報にすぐにたどり着ける検索機能が必須です。
「評価が高い順」「新着順」「特定の条件(例:20代女性、従業員100名以下)」などで絞り込める機能は、コンバージョン率(CVR)に直結します。
▶ランキングサイトの作り方・作成方法とは?構築のメリットや収益の仕組みも解説!
ここからが本記事の核心です。システム(箱)ができても、それだけでは口コミは集まりません。「どうやってユーザーを集め、書かせるか」というマーケティング戦略こそが、成功の鍵を握ります。
「なんでも載っている総合口コミサイト」を作ろうとしてはいけません。大手サイトには勝てないからです。
成功するためには、「誰の、どんな悩みを解決するための口コミサイトか」というコンセプト(VP)を明確に絞り込む必要があります。
このようにターゲットと提供価値を尖らせることで、「自分に関係があるサイトだ」と認識され、熱量の高いユーザーが集まります。
▶バリュープロポジションとは?重要性やメリット、作り方を解説
「口コミがないサイトには、誰も口コミを書かない」。これが最大の壁です。
サイトオープン時には、空っぽの状態にしておかず、以下の方法で少なくとも100件程度の質の高い初期レビューを用意しておく必要があります。
※注意:架空の口コミを捏造することは景品表示法違反(ステルスマーケティング規制)や信用失墜に繋がるため、絶対に行ってはいけません。
自社の商品を売りたい企業が運営している口コミサイトだとわかると、ユーザーは「都合の悪い口コミは削除しているのではないか」「良いことしか書いていないのではないか」と警戒します。
そのため、運営元の見せ方を工夫し、「公平な第三者メディア」として運用することが極めて重要です。
「悪い口コミもそのまま掲載する」「評価基準を公開する」といった透明性の高い運営ポリシーを掲げることで、ユーザーの信頼(トラスト)を獲得できます。
口コミサイトを運営する上で避けて通れないのが、法律とリスク管理です。ここを疎かにすると、サイト閉鎖や炎上のリスクがあります。
2023年10月より施行された景品表示法の指定告示により、広告であることを隠して口コミを装う行為は厳しく規制されています。
もし企業から対価を受け取って掲載している場合や、自社関係者が投稿する場合は、「PR」「広告」「プロモーション」といった表記をわかりやすく行う義務があります。
「店員の態度が悪かった」「商品が壊れていた」といったネガティブな口コミは、事実であれば有益な情報ですが、事実無根の誹謗中傷は法的トラブルの元になります。
利用規約に「禁止事項」を明記し、通報機能の実装や、目視による定期的なパトロール体制(モデレーション)を構築する必要があります。
ここまで解説した通り、口コミサイトの構築には、システム開発だけでなく、マーケティング、コンテンツ制作、リスク管理といった高度な専門知識が必要です。
これらを社内リソースだけで完結させるのは容易ではありません。
私たちKimerel(キメレル)は、単なる制作会社ではなく、事業を成功させるための戦略パートナーとして、以下の価値を提供します。
制作に入る前に、競合サイトを徹底的に分析。「ユーザーニーズがあるのに、競合が満たせていない領域」を特定し、貴社のサイトが勝てるコンセプト(VP)を設計します。
Kimerelが提供するメディアは、運営元を弊社(株式会社コリン)とすることで、客観的な第三者メディアとしての体裁を整えます。
これにより、自社運営では得られない「公平性」と「信頼感」を担保し、ユーザーの警戒心を解くことができます。
特定のジャンルにおいて、貴社をNo.1として扱うメディアを構築します。
口コミを活用して貴社の信頼性を高めつつ、競合他社と比較された際にも、最終的に貴社が選ばれるような導線と評価軸を設計します。
本記事では、口コミサイトの作り方と、成功させるための戦略について解説しました。
「口コミサイトを作りたいが、どう戦略を立てればいいかわからない」「ユーザーが集まるか不安だ」という方は、ぜひ一度Kimerelにご相談ください。
貴社の事業課題を解決し、長期的な資産となる「勝てるメディア」の構築プランをご提案します。